タイでは中国車や韓国車が「日本のクルマ」だと勘違いされている! 日本への信頼度と中韓BEVの台頭で感じた「複雑」な気持ち

在泰国,中国和韩国的汽车被误认为是“日本车”!对日本的信赖度和中韩BEV车的崛起让人心绪复杂


タイでは約12台に1台の割合でEVが売れている
最近はタイでも中国製・韓国製のEVをよく見かけるが、購入者のなかにはそれらを日本車と信じて疑わない人も多いそうだ。
 2023年11月30日から12月11日の会期にて、バンコク郊外でタイ国際モーターエキスポ2023(通称バンコクモーターエキスポ)が開催された(11月29日はプレスデー)。タイのモーターショーはかなりトレードショー的な部分が強く、会場内では熱心な新車販売促進活動が展開される。
【画像ギャラリー】日本車と間違えるほど高性能? タイで見かける中国・韓国ブランドのEV
 主催者発表の11月29日から12月11日までの会期中におけるブランド別の販売台数をみると、トップはトヨタで7245台、2位はホンダで6149台、そして3位には中国BYD(比亜迪汽車)となり、5455台であった。ほかの中国系ブランドをみると、AION(広州汽車系ブランド)が4568台、チャンアン(長安汽車)が3549台、GWM(長城汽車)が3524台、MG(上海汽車系)が3568台、NETA(哪叱汽車)が1766台、ウーリン(上海通用五菱汽車)が312台となっている。
 ウーリンを除けば、主催者発表を見る限りは、トヨタとホンダ以外に出展していた日系ブランドより、中国系ブランドのほうが多い台数を販売するという結果となった。
 また、地元の報道によると、タイ国内での2023暦年締めでのBEV(バッテリー電気自動車)の年間販売台数見込みを、5万台から6万8000台へ上方修正を行ったとのことである。2022暦年締めでのタイの年間新車販売台数が84万9388台だったので、これをベースに試算すると、新車販売台数の約8%がBEVになっているともいえる。
 日本国内では2022暦年締めでのEV(電気自動車)販売台数は5万8813台となった。ただし、2022暦年締めでの年間新車販売台数は420万台となり、タイの約5倍の市場規模となるので、新車販売におけるEV販売比率は1.7%となる。つまり、BEV販売ではタイの約8分の1弱の市場規模になっているとも数値からはいえるだろう。
高性能なマシン=日本製!?
 地元在住の事情通に話を聞くと、そもそもタイの消費者はクルマに限らず中国製品にはある程度のアレルギーがあったとのことだったが、「ここまでのスピードで中国メーカーのBEVが受け入れられるとは思ってもみませんでした」と驚きを隠せない様子であった。さらに事情通は興味深い話を聞かせてくれた。
「知り合いでアメリカ留学経験もあってインテリジェンスも高く、所得も高い女性が中国系ブランドのローコストBEV(スペックを絞ってお値打ち価格となっているBEV)を購入しました。しかし、彼女いわく『日系ブランドのBEVを買った』と話してくれました。BEVのような高性能車だから日系メーカー車に決まっていると彼女は信じているようでした」とのことだった。
 どこかで聞いたような話だなと思っていると、海外出張へ行った際に乗り合わせたタクシー運転士との会話を思い出した。「どこからきたの? 日本か。俺も日本製品はたくさん持っているよ、例えばサムソンやLGは性能もいいよね(サムソンやLGは韓国ブランド)」と話してきたのである。
 たまたま乗り合わせたタクシー車内の会話でもあるし、ムキになって「それは韓国メーカーだよ」と言わずに聞き流したが、日本や韓国から距離のある国ほど、日本と韓国の区別がつくはずはない。アメリカの大型家電量販店に行くと、置いてある液晶テレビのほとんどが韓国や台湾、中国製ばかりになってきたころの話であった。
 つまり、タイではいまBEVにおいてかつての日本の家電の二の舞のようなことが起き始めているようなのである(局地的なものであって欲しいが)。しかも、日本とはそれほど距離の離れていない、親日家で知られたタイでの話なので事態はより深刻に見える。
 中国メーカーはたいてい中国語社名と英語社名を持っている。たとえば日本では知られたBYDは英語社名であり、中国語社名は比亜迪汽車となる。タイでは単純に英語社名を使うブランドもあれば、MG(上海汽車のブランド)のように英語の自社ブランドで展開しているところもあるので、そもそも中国メーカーとはわかりにくいのである。
 中国系メーカーは、筆者の見た限りでは、インドネシアやインドあたりでも同様の戦略をとっているように見える。ただし、プライドの高い中国人なので、中国系ブランドが”なんちゃって日本車”を全面に押し出して商売をしているとも思えない。
 タイの消費者がいまでもハイテク製品=日本メーカーという認識を持っていることは大変ありがたいことであるが、政策的な動きもあるが、バンコク市内で加速度的に増えているBEVの様子を見ると、消費者のなかに日本メーカー製と信じて乗っている人も少なからずいてもおかしくないものと感じている。

小林敦志
【在泰国,每大约12辆新车中就有一辆是电动汽车(EV)】



最近在泰国,经常能看到中国和韩国制造的EV,但似乎有很多购买者误以为这些都是日本车。
2023年11月30日到12月11日,在曼谷郊外举行了泰国国际汽车博览会2023(又称曼谷汽车博览会),11月29日为记者见面日。泰国的这个车展很注重贸易展示,会场内有很多积极推广新车的活动。





【图片】性能高到被误认为是日本车? 在泰国看到的中国和韩国品牌电动汽车
据主办方公布的11月29日至12月11日期间的品牌销售数据显示,销量最高的是丰田(Toyota),共售出7245辆;第二名是本田(Honda),售出6149辆;第三名是中国的比亚迪(BYD),售出5455辆。其他中国品牌的销量包括:广汽埃安(AION)4568辆、长安汽车3549辆、长城汽车(GWM)3524辆、上汽MG3568辆、哪吒汽车(NETA)1766辆、五菱汽车(Wuling)312辆。
除了五菱,从主办方公布的数据来看,中国品牌的销量超过了除丰田和本田外的其他日系品牌。
另外,据当地的报道,在泰国国内的2023年度末进行的BEV(纯电动汽车)的年销售量预测中,将BEV从5万辆上调到了6万8000辆。2022年泰国的新车年销量为84万9388辆,因此新车销售的约8%是BEV。
在日本,2022年的EV车销量为5万8813辆。但同年日本的年新车销售总量为420万辆,市场规模约为泰国的5倍,EV在新车销售中的比例仅为1.7%。这意味着从市场规模来看,泰国的BEV销量约为日本的八分之一。
【高性能等同于日本制造?】
据当地的消息人士透露,不仅是车、泰国消费者对中国制造的产品都有一定程度的抵触感,并且难掩惊讶之情地表示“中国制造商的BEV如此迅速被接受,实在是出乎意料”。他还告诉了记者一个有趣的故事。
”我有一个女熟人,她有美国留学的经历,智商高、收入也高,她买了一辆中国品牌的低成本BEV(降低规格以实现亲民价格的BEV)。但她坚信自己购买的是日系品牌的BEV。因为她认为,像BEV这样的高性能车肯定是日系车。“
这话听起来有点耳熟,让笔者想起了一次海外出差时与出租车司机的对话。他说:“你从哪里来的?日本吗。我也有很多日本产品,比如三星和LG(韩国品牌),性能也很好。”
毕竟只是偶然同乘的出租车里的对话,笔者没有生气地反驳“那是韩国的品牌”、而是听之任之。而且,越是离日本和韩国远的国家就越不太分得清日本和韩国的区别来。司机说这话时美国的大型家电卖场摆放的液晶电视已经几乎都是韩国、中国、台湾(地区)制造的了。
也就是说,在泰国,BEV可能正在重演日本家电的历史(希望这只是局部现象)。并且这还是发生在离日本并不远、以亲日著称的泰国,所以情况更令人揪心。
中国制造商通常有中文和英文的公司名。比如在日本比较有名的BYD是英文名,中文的公司名是比亚迪汽车。在泰国,有些品牌有些品牌会仅使用(本品牌的)英文名,也有像MG(上海汽车的品牌)那样用自有的英文品牌来展开业务,所以并不容易识别是不是中国品牌。(MG名爵、收购了英国牌子的上汽车)
据笔者所见,中国制造商在印度尼西亚和印度等地也采取了类似的策略。不过,中国人很有自豪感,所以笔者不认为中国制造商会把“假日系车”作为其主要销售策略。
虽然泰国消费者仍然认为高科技产品=日本制造很令人感激,但考虑到曼谷市内纯电动汽车的数量急剧增加一事(虽然也有政策上的推动),笔者觉得相信自己乘坐的是日本品牌车的消费者肯定不在少数。
小林敦志