中国人は昔から、「中華思想」を持っているといわれます。これは「中国が世界の中心であり、その文化・思想が最も価値のあるものと自負する考え方」とされており、中国政府が周辺諸国に対して外交や軍事で強硬姿勢を見せたときは、「中華思想に起因している」と唱える日本人もいます。

中国人自古以来就有“中华思想”。这被认为是“中国是世界的中心,其文化、思想是最有价值的东西这样自负的想法”,中国在外交和军事上对周边各国表现出强硬态度的时候,也有日本人主张说“这就是由于中华思想”。


中国は文明の中心、世界の中心

中国是文明的中心,是世界的中心。

Q.そもそも、「中華思想」とはどのような考え方ですか。
青樹さん「『漢民族を中心とした中国人は文化的優越性を持っており、世界の中心にある』。つまり、文明の中心であり、世界の中心であるという考え方です。これは、徹底した選民意識です。数千年前から、中国人はこのように考えていて、これが中華思想の原型です」

Q.说起来,“中华思想”是怎样的想法?
青树:“‘以汉族为中心的中国人有着文化优越性,处于世界中心’。也就是说,是文明的中心,是世界的中心。这是彻底的民族意识。几千年前,中国人就这样认为,这就是中华思想的原型”

Q.なぜ、中国で中華思想が生まれたのですか。
青樹さん「古代の中国がいつも、周囲を敵で囲まれていたことと関係があります。『中華』(中夏・古代の呼称)という言葉はもともと、『大陸の真ん中にある国』という地理的な状況を表した言葉でした。そして、当時の中国はすでに文明が発達している一方で、周囲の国々の文明が未発達であったことから、『周囲の敵はみんな野蛮人』という考え方が生まれ、これが中華思想の原点となりました。

Q.为什么在中国产生了中华思想?
青树先生说:“古代的中国总是和周围被敌人包围有关系。“中华”(中夏·古代的称呼)这个词原本是表示“位于大陆正中的国家”的地理状况的词语。而且,当时的中国文明已经很发达,但是周围各国的文明还不发达,所以产生了“周围的敌人都是野蛮人”的想法,这就是中华思想的原点。


Q.一般の中国人にも中華思想が根付いているのでしょうか。
青樹さん「実は、中国には『中華思想』という言葉はありません。しかし、彼らの自国や自民族に対するプライドを見ると、古代の中華思想に似通うものを感じます。誰しも民族が自分の国や民族を愛する心を持っているものですが、中国人のそれは私たち日本人とは比較になりません。

Q.一般的中国人也根深蒂固的中华思想吗?
青树:“其实,中国没有‘中华思想’这个词。但是,从他们对本国和自民族的自尊心来看,感觉和古代的中华思想相似。每个人都有一颗热爱自己国家和民族的心,而中国人的这种感情和我们日本人的是无法比较的。

一方、古代から大陸の覇者だった中国は清朝末期から、受難の時代に入ります。日清戦争で隣国の日本に負けて領土の一部が植民地化されたり、その後に侵略を受けたりと、中国人にとっては大きな侮辱で許せなかったわけです。それが現在、世界第2位の経済大国になったことで中国人は立ち直り、そして、中国人の中華思想はますます強くなっていると思います」

另一方面,从古代开始就是大陆霸主的中国从清朝末期开始进入了受难的时代。在甲午战争中输给邻国的日本,领土的一部分被殖民地化,之后受到侵略,对中国人来说是莫大的侮辱,无法容忍。现在,中国成为了世界第二经济大国,中国人又重新站起来,中国人的中华思想也越来越强了”

Q.一般の中国人の中華思想を感じた事例はありますか。
青樹さん「忘れられないのが、いわゆる『日本航空民族差別事件』です。もちろん、誤解に基づくもので、民族差別が行われたわけではありません。2001年1月、北京発成田行きの日本航空の旅客機が大雪のため、成田空港に着陸できませんでした。そこで急きょ、関西国際空港に着陸して、乗客は一夜を明かすことになったのですが、中国人以外の乗客がホテルなどの宿泊施設に泊まるため入国できた一方、中国人の乗客のほとんどが、入国できずに待合室にとどまることになったのです。

Q.有没有感受到一般中国人的中华思想的事例?
青树:“无法忘记的就是所谓的‘日本航空民族歧视事件’。当然,这是基于误解,并没有进行民族歧视。2001年1月,北京飞往成田的日本航空客机因大雪无法在成田机场着陆。因此紧急降落在关西国际机场,乘客们将在一夜之间过夜。中国以外的乘客为了入住酒店等住宿设施而入境,而中国乘客几乎都无法入境,只能停留在候车室。


そこまで極端な事例ではありませんが、一般の中国人と雑談をしていて、『自分たちは優れている』という姿勢が頻繁に出てくるのは感じます。
例えば、中国でタクシーに乗ったとき、男性運転手が『日本の和服は本当に素晴らしい』と言いました。そこで、私も『日本の和服はきれいですが、チャイナドレスも和服と同じようにきれいで好きですよ』と答えると、『和服はきれいだが、チャイナドレスには及ばない。チャイナドレスは世界一美しい』と強硬に主張して譲らないのです。雑談でも、こうしたことは多発します。『中国がナンバーワン』という意識は、一般の中国人一人一人に染みついています」

虽然不是那么极端的事例,但是和一般的中国人聊天的时候,感觉经常会出现“我们很优秀”的姿态。
比如,在中国坐出租车的时候,男司机说“日本的和服真是太棒了”。于是,我也回答说:“日本的和服很漂亮,旗袍也和和服一样漂亮,我很喜欢。”然后司机就会说“和服好看是好看,但是跟旗袍还是比不了的,中国旗袍是世界第一好看的”。即使是闲谈,这种事情也经常发生。“中国第一”的意识,渗透到了一般中国人的每个人身上”

Q.「自分たちこそが一番」という考えの中華思想は、周囲から見ると独善的でネガティブな印象もあります。そうした周囲からの見られ方を中国人はどのように思っているのでしょうか。
青樹さん「中国人は以前、外国が中国のことをどのように見ているのかという関心がとても強かったです。これは中国政府も一般の中国人も同様です。しかし、最近は外国が中国のことをどう思っているのか、以前ほど意に介さなくなっていると思います。

Q.“只有我们自己才是最好的”这种想法的中华思想,在周围人看来是自以为是、消极的印象。中国人是怎么看待周围人的看法的呢?
青树:“中国人以前很关心外国是怎么看待中国的。中国政府和普通的中国人都一样。但是,最近外国对中国是怎么想的,不像以前那么在意了。

そうなった理由はまず、中国の国力や経済力が強くなったことがあります。もう一つ、一般の中国人が国内で、客観的な見方ができる情報を得られていないことも理由です。外部から中国が批判されているということを、一般の中国人の8割は見たり聞いたりすることはできません。情報を与えられていないので、周囲からの見方が分からないのです」

这样的理由首先是中国的国力和经济实力变强了。还有一个理由是,一般的中国人在国内是得不到客观的看法的信息。对于外界对中国的批评,一般的中国人中有8成是看和听不到的。因为没有提供信息,所以不知道周围人的看法”

中国人とどのように接する?

那么该怎么和中国人接触?


中国のいろいろな面でそれぞれ問題があることは多くの中国人が分かっているのですが、『外の人間から言われたくない』という本音があります。同調すると、中国人の方が一気に冷めて距離を取り、お互いのコミュニケーションが途切れてしまうのです。

虽然很多中国人都知道中国在各个方面都有各自的问题,但也有“不想被外人说”的真心话。如果赞同的话,中国人会一下子冷淡下来保持距离,彼此的交流就会中断。